「気軽に」「簡単に」「短時間」でできる検査です。
指先から採取した微量の血液から、ピロリ菌感染による抗体の量と胃から分泌されるペプシノゲンの量を測定し、「胃がん」にかかるリスクをA群~D群の四段階に分類します。
A群 | |||
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ピロリ菌 | いない | 胃の炎症 | なし |
胃ピロリ菌に感染しておらず、胃粘膜も正常です。胃がんのリスクはほとんど見られない状態です。 |
B群 | |||
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ピロリ菌 | いる | 胃の炎症 | なし |
ピロリ菌に感染しており、胃粘膜には軽度の萎縮性変化が見られます。胃がんのリスクは少ないものの、稀に未分化型胃がんが発生していることがあります。 |
C群 | |||
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ピロリ菌 | いる | 胃の炎症 | あり |
ピロリ菌に感染しており、胃粘膜にははっきりとした萎縮性変化が見られます。胃がんのリスクが高い状態です。 |
D群 | |||
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ピロリ菌 | いない | 胃の炎症 | あり |
見かけ上、ピロリ菌には感染しておりませんが、胃粘膜には強い萎縮性変化が見られます。胃がんのリスクが最も高い状態です。この群は、ピロリ菌感染が長期間続いたために、ピロリ菌自体が棲めなくなるほど胃粘膜が疲弊しています。 |
(※1) B群でも、抗体濃度が低い場合(3U/ml以上10U/ml未満)は、偽陽性の可能性があるので、必ず他の方法(尿素呼気試験、便中H.Pylori抗原測定など)でH.pylori検査を行い、ピロリ菌の存在を確認することが必要です。
(※2) ピロリ菌除菌治療を過去に受けたことがある方は、ABC分類上は「E群」という分類に属します。E群の方は検査結果が正しく出ないため、本キットの御利用はお控えいただき、医療機関での受診をおすすめします。
(※3) また以下の項目に該当する方につきましても、正しい結果が得られない可能性があるため、医療機関での受診をおすすめします。
(※4) 本内容は、出典:NPO法人日本胃がん予知・診断・治療研究機構「胃がんリスク層別化検査管理指針」を元に、板橋中央総合病院 加藤副院長 監修のもと作成しています。
1年間の胃がん発生頻度はほぼゼロですが、A群でも自覚症状のある人や、高齢者、特に後期高齢者世代は、ピロリ感染の有無や胃粘膜萎縮などを確かめるために一度は検査を受けることをおすすめします。
ピロリ菌を除去する事で、胃がんのリスクを下げることが大切です。ピロリ菌感染が長期化し、慢性的に胃炎が続くと、胃粘膜が萎縮し、慢性萎縮性胃炎を起こします。その結果、胃潰瘍や胃がんなど様々な胃の病気を起こします。ピロリ菌を除菌し、慢性的な胃炎を抑えることが出来れば、胃粘膜の萎縮を改善し、慢性萎縮性胃炎を予防することが出来ます。
※ B群でも、抗体濃度が低い場合(3U/ml以上10U/ml未満)は、偽陽性の可能性があるので、必ず他の方法(尿素呼気試験、便中H.Pylori抗原測定など)でH.pylori検査を行い、ピロリ菌の存在を確認することが必要です。
ピロリ菌の除菌により胃がんのリスクは低下しますが、ゼロではないので、医療機関にて定期的に経過観察を受けることをお勧めします。
D群では強い胃粘膜の萎縮が予測され、「胃がんの温床」とも呼ばれる慢性萎縮性胃炎を起こしている可能性があります。胃がんのリスクが極めて高いので、消化器専門医の受診をお勧めします。
必ず各ページのご説明をお読みになった上で、検査申し込みにお進みください。